2018.05.25|コラム
家具産地 「府中」 では、21世紀の大きなテーマである地球環境保護の観点から、古家具の再生を中心としたリサイクル事業を始めました。ごみ問題が騒がれるなか、地球温暖化やダイオキシンの問題などから、家具をはじめとした粗大ゴミの処分が困難になりつつあります。
また、家具材の多くは、樹齢100年以上経た広葉樹を使い、貴重な天然資源の有効利用が叫ばれています。高度成長から続いてきた使い捨ての時代は終わりを告げ、循環型の社会へと移ろうとしています。本当に良い家具は、再生すると新品のように蘇り、次ぎの世代にも受け継いで使うことができます。
桐箪笥を伝統的な洗い直し(削り直し)による再生を行うと、まるで新品のように甦ります。
昭和10年頃に作られた総桐箪笥で、戦時中に空襲に遭い前板が焼け焦げ、蔵の中にしまって最近まで使われていたもの。前板は、木目がつんだ柾目の分厚い桐(キリ)の無垢板が使われ、当時、かなり高価なものであったと思われ、捨てるには惜しいものです。
保存状態が悪かった階段箪笥を使える様に復元しました。引出しや側板、裏板などが欠落していましたが、同じ様な素材で新たに作り直しました。階段としての強度は充分保たれていますが、今ではその用途は必要なく、階段部分に置物などを飾って楽しめます。
階段箪笥はアンティーク家具として人気が高く、後世にも受け継いでほしい逸品です。
表面や内部を洗って漂白、全体の締め直し、部分的な補修、表面を磨いて再塗装。
金網の部分は新たに板を張りました。こうしておけば、リビングに置いてもアンティークなキャビネットとしてオシャレ感を満喫できます。
無垢板、特に欅材は年を経ると乾燥して反ったり、割れたりします。 しかし、乾燥しきった古材は、それ以上に狂うことはありません。
両親の思い出がある古家具の前板を活かして新品に作り変えました。こうしておけば、次ぎの世代にも受け継ぐことが出来るでしょう。
何種類かの古家具の前板をパッチワーク風に組み合わせて、レトロ調にリメイクしました。 抽斗の前板は全て古い箪笥のものを用いています。 色や形が異なっているのはそのためですが、パッチワークにすることで、一人一人の思い出が一枚一枚に蘇り、 デザインとしての面白さも高まったといえます。
「モノを大切にする、日本人の美徳」を22世紀にも引き継いでいければ、 そんな願いを込めて創作しました。
© Fuchu Furniture Industry Cooperative Association.