2018.05.25|コラム
昔ながらの手作りによる桐箪笥の製造工程をご紹介します。
適した桐の丸太を選び仕入れます。木目の間隔が狭い成長の遅い桐材が高級品になります。
丸太を板に製材します。丸太の背の部分も無駄なく小割りして使います。
水槽に2~3週間漬け、水は毎日汲み替えながらアクを抜きます。この工程を怠ると製品になった後で黒ずみます。
半年から2・3年、天日や雨露にさらし木性を落ち着かせます。
前板になる良質の柾目材は、一枚一枚専用の棚に差してきちんと管理します。
板と板とを矧ぎ合せて裏板などの幅広の板を作ります。
接合部の強度を高めるため、蟻組みなどの組手加工を施します。
接合箇所に膠(にかわ)を塗って接着し、タガネで締めて固定します。
引出しの底板や裏板は木釘で止めます。木釘は鉋掛けもでき、再生しやすくなります。
用途に応じ、砥の粉やヤシャブシなどを表目にを塗り薄く着色します。
真っ赤に熱した鏝(こて)で桐の表面を焦がし、焼き色を付けるとともに木目に凹凸を強調させます。
カルカヤの根を束ねた「うづくり」でこすり、木目の凹凸を浮き上がらせます。
扉の蝶番や把手、鍵座などの金具類を取り付け、最終仕上げを行います。
ゆるくなく、きつくなく引出しがスムーズに出し入れできるよう鉋で微調整します。
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