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桐箪笥の製造工程

2018.05.25|コラム

昔ながらの手作りによる桐箪笥の製造工程をご紹介します。

1.材料の吟味

適した桐の丸太を選び仕入れます。木目の間隔が狭い成長の遅い桐材が高級品になります。

2.製材

丸太を板に製材します。丸太の背の部分も無駄なく小割りして使います。

3.アク抜き

水槽に2~3週間漬け、水は毎日汲み替えながらアクを抜きます。この工程を怠ると製品になった後で黒ずみます。

4.天然乾燥

半年から2・3年、天日や雨露にさらし木性を落ち着かせます。

5.天然乾燥 その2

前板になる良質の柾目材は、一枚一枚専用の棚に差してきちんと管理します。

6.板矧ぎ

板と板とを矧ぎ合せて裏板などの幅広の板を作ります。

7.組み手加工

接合部の強度を高めるため、蟻組みなどの組手加工を施します。

8.本体の組立て

接合箇所に膠(にかわ)を塗って接着し、タガネで締めて固定します。

9.木釘止め

引出しの底板や裏板は木釘で止めます。木釘は鉋掛けもでき、再生しやすくなります。

10.砥の粉塗り

用途に応じ、砥の粉やヤシャブシなどを表目にを塗り薄く着色します。

11.焼き桐加工

真っ赤に熱した鏝(こて)で桐の表面を焦がし、焼き色を付けるとともに木目に凹凸を強調させます。

12.浮造り

カルカヤの根を束ねた「うづくり」でこすり、木目の凹凸を浮き上がらせます。

13.金具付け

扉の蝶番や把手、鍵座などの金具類を取り付け、最終仕上げを行います。

14.摺込み

ゆるくなく、きつくなく引出しがスムーズに出し入れできるよう鉋で微調整します。