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良い家具の選び方

2018.05.25|コラム

良い家具は一生使える暮らしのパートナーとなります。
また、素敵なインテリアとして生活に潤いを与えます。
そこで、良い家具を選ぶポイントを簡単にお教えします。

収納家具編

引出しを開け閉めして確認を!

引出しは一生のうち数えきれないほど開け閉めされます。当然、傷みやすくなる部分なので、丈夫さが必要。お店で必ず開け閉めして確めてください。

チェックのポイントは

  • 引出しがガタつくものは、隙間から湿気や害虫が入り衣類などの保存に適さない。
  • 接合部が、手と手を組み合ったような蟻組み (ありぐみ)にしてあるものが丈夫。
  • 引出しの底板や側板の材料は厚いほど良い。
  • 底板に木釘又はプラスチック釘を打ったものは、底板と一緒に擦り減るので良い。鉄釘は長く使ううち、釘の頭が飛び出て引っかかる。

「桐」 はタンス材の王様。

お気に入りの洋服や、高価な式服などにカビが生えたり虫が付いたら大変。 衣類の保存には「桐」が最も適した素材として、昔からその効力が知られています。 桐は外気の状況に敏感に反応し、木の伸縮で自然に乾湿調整をし、タンス内を一定の快適状態に保ちます。 湿度の高い日本の気候風土に、桐はマッチした素材と言えます。 引出しなど、タンス内部が桐で出来ているものをお勧めします。
詳しくは、「桐材の特性」 のページをご覧下さい。

信頼のある産地・メーカーのものを選ぶ。

いくら銘木といえども天然素材ゆえに、乾燥が不十分だと後で反りや狂いが生じます。 特に、無垢製品は注意が必要です。
良い家具は、長い歳月をかけて木材を自然乾燥させ、更に人工乾燥機で水分をコントロールしたものを使います。
しかし、乾燥度合いを見極めるのは難しく、信頼のある産地やメーカーの家具を選んでおけば間違いはないと思います。

家具選びのQ&A

家具を選ぶ際に知りたいことをメールでご質問いただきましたが、 その中からいくつかをQ&Aにまとめましたので参考にして下さい。

最近、家具店で扉が左右にスライドするタイプの洋服タンスをよく見かけますが、前に開く扉のものとどちらに決めようか迷っています。スライド式扉の長所と短所をお教え下さい。

スライド式扉の一番の長所は省スペースで使えるところです。
前側に開くタイプの扉は、扉の前に少しでも物が置かれていると開けることができませんが、スライド式扉は開閉スペースがゼロなので、前に物があっても開けることが可能です。
例えば、狭い寝室にベッドと洋服タンスを置いて使う場合などに適しています。
また、金具も蝶番と比べるとレールの方が壊れにくいと思います。

一方、短所としては、扉を一方にスライドさせると他方の扉は閉ざされますので、前開きの扉のように全ての扉を同時に開けて物の出し入れや整理が出来ないことぐらいです。
あとはデザインの好みによって選ばれたら良いと思います。

結婚が決まったのでブライダル家具を購入しようと思いますが、どのくらい前に購入予約をしておけば良いでしょうか?

最近は、消費者の多様なニーズに対応させるため、各メーカーとも多品種少量生産をしているため在庫が無い場合が殆どです。高級なブライダル家具は完成まで約1ヶ月要します。ブライダルシーズンの前には家具メーカーは多忙になり、生産は遅れ気味になりますので、お気に入りの家具が欲しい場合は、2~3ヶ月前に予約を入れておけば間違いないでしょう。

桐タンスは、古くなっても表面を削り直すと新品のように再生できるので長い目で 見れば得だと聞きましたが、本当でしょうか?

一口に桐タンスと言ってもピンからキリの品があり、無垢板を使った桐タンスは洗い直し(業界用語)すれば、程度にもよりますが 新品のように再生することが出来ます。
しかし、外見を美しく見せるために表面に木目が整った薄い桐を貼ったものもあり、そうした桐タンスを削ると見栄えの悪い地板が現れてきます。
とにかく、安物の桐タンスは出来ないと思っていたほうが良いでしょう。

結婚の記念に一生使えるような、職人さんが丹精込めて造った手造り家具を買おうと思います。 職人技を見極める方法を教えて下さい。

職人技は、目立たない所でさり気なく発揮されるものです。
蟻組みなども、今では機械で加工出来ますので見極めが難しくなっていますが、引出しを開け閉めしてみれば職人技がわかります。
引出しを調整する作業を「摺込み」と言い、気密性を保ったままスムーズに開け閉めできるようベテランの職人が微調整します。そうしたタンスは、引出しを閉めると空気の圧力で隣の引出しが自然に開くはずです。
また、引出しの上下を逆さまにしてもスムーズに入ることが出来たら、「いい仕事がしてある」 素晴らしい出来栄えの家具で、今ではあまり見られない逸品です。
そこまでこだわった家具は、ほかも手抜きをせずに丹精込めて造られているはずです。

木目が美しい無垢板の家具が気に入りましたが、引出しの木目や色が不揃いなのが気になります。同じ様に揃ったものがほしいと言ったのですが、難しいと言って断られました。無理な注文でしょうか?

同じ木でも木の取り方によって木目が変わります。
木目とは、木を切ったときに現われる年輪や繊維などの模様のことで、専門的には木理(もくり)と言います。同じ木でも育った環境などにより一本一本、木目が異なります。ですから無垢材の家具の場合、たとえ同じ木を使っていても少しずつ木目や色合いが違ってきます。それが天然木ならではの味わいです。
おそらく美しい木目と言われているのは、「杢」が現われていたのだと思います。杢 (もく) とは、樹木が成育過程において様々な原因で木目が乱れて現われる装飾性の高い模様のことです。杢目がきれいに揃ったものはかなり希少で値段も高価ですが、数個現われれている程度ならば割とお手頃な価格です。そんな木が使われた家具を探すのも楽しいものです。
なお、代表的な杢目の種類を紹介したページありますので参考にして下さい。

洋服タンスを買い替えようと思っていますが、丈夫で長持ちするものを選ぶためには、どこを注意して見定めれば良いでしょうか?

タンスを使っているうちに扉の開閉がスムーズに出来なくなると大変です。
扉の開閉は蝶番(ちょうつがい)が機能しており、取付けてある数が多ければ、一つの蝶番にかかる負担が分散されて長持ちします。
つまり、蝶番の数が多いほど堅牢で安心ということになります。